オオカミ社長の求愛から逃げられません!


「里香のこと、絶対守ってほしいって言われた。あの子には感謝してもしきれないよ」

折原くん……。ずっと粘ってくれていたんだね。ありがとう。ふい喉の奥が熱くなる。

「念の為に、プライベートジェットを用意しておいてよかった」

さらっと言った言葉に、え? と目が点になる。今、プライベートジェットって言った?

「何? どうかした?」
「いえ、プライベートジェットって、八神さんって本当にすごい方なんですね」

あの場にいた人も晴くんのことを恐れていたし、だいたいプライベートジェットなんていくらするんだろう。見当もつかない。

「全然すごくないよ。俺も一人の女性に熱を上げるただの男だ」

言いながら角度をつけ、近づいてくる。ぎゅっと目を閉じると、触れるだけのキスが降ってきた。それだけできゅんとして、じわじわと心が温かくなる。

さっきまであんなに怖くて震えていたのに、晴くんのキスであっという間に上書きされてしまう。

「折原くんの電話の後、三日月堂のみんなが、代わる代わる俺に電話してきたよ。みんな口を揃えて同じこと言ってた。里香を守ってやってくれって。里香がたくさんの人に想われているって、今回でよくわかった。里香のこと大切にしないとって、改めて決意させられたよ」

みんなってもしかして、杉本さんや店長も心配してた……?

ふとテーブルに置きっぱなしになったスマホを見ると、ものすごい数の着信が入っていた。

みんな……心配かけてごめんなさい。

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