オオカミ社長の求愛から逃げられません!
それから数日後。三日月堂は営業を再開し、私も無事復帰を果たした。
「里香ちゃーん! 無事でよかったー!」
出社して私の顔を見るやいなや、杉本さんが泣きそうな顔で抱き着いてきた。
そしてそのまま私の頭をこねくり回す。う、嬉しいんですけど、か、髪が……。
「里香ちゃん何度電話してもでないし、すっごく心配したんだからー! ねぇ? 折原くん」
今出社してきた折原くんに杉本さんが話を振る。折原くんは相変わらずマスクをしていて表情は読めないが、彼が今回大活躍してくれたおかげで今の私がいる。
「折原くん、色々ありがとう。本当に助かりました」
「別に。俺はただ自分がしたいようにしただけですから」
「これからも頼りにしてるね」
そう告げると折原くんは、照れたように頭を掻いていた。
「折原くんが社長の電話番号調べてくれたからよかったものの。というか、よくわかったわよね」
「そのくらいチョロいです」
言いながら折原くんは、杉本さんにピースサインをする。
マスクの下は笑っているのか真顔なのか、それは今日もわからないけど、みんなが必死になってくれたのはよくわかった。私は本当に恵まれていると、改めて痛感する。