オオカミ社長の求愛から逃げられません!


それからトントン拍子で結婚式の準備が進んだ。

両家の顔合わせに、結納などなど。全部八神家のしきたりに沿って行われたものだから、いちいち豪華で、藤堂家はみんな目を剝いていた。

3カラットのダイヤの婚約指輪には、さすがに手が震えた。

庶民派でいいと思っていたが、相手方にしてみれば、そうはいかないらしい。

式場は八神家が代々からお世話になっている神社。つまり人前式。白無垢に和装というスタイルだ。

式当日。晴くんは八神家の家紋が入った羽織袴を着ていた。いつもスーツ姿が多いせいもあって、新鮮。しかもものすごくかっこいい。

「里香、綺麗だよ」
「晴くんも、すごく素敵です」

見つめ合いながら幸せをかみしめる。今日。私は八神里香になる。そう思うとすでに胸がいっぱい。

身支度を済ませると参進の儀が執り行われる。神社に奉仕する神職と巫女に導かれ、新郎新婦、両家の両親、親戚の順で本殿に向かう。

その間、偶然居合わせたギャラリーから「素敵」「かっこいいー」なんて声が聞こえていた。確かに晴くんはすごく様になっている。私も叫びだしたいくらいだ。

境内の中に入ると修祓の儀、祝詞奏上の儀、三三九度の盃の順で式は進んでいった。私はずっと緊張しっぱなしで、この辺は記憶が曖昧だ。

結婚指輪の交換の時にやっと彼の顔がまともに見られた。

「里香、幸せにします。一生そばにいてください」
「はい」

厳かな雰囲気の中で、私と晴くんはこの日夫婦となった。降り注ぐ拍手に、ここまで導いてくれた縁に感謝して。

——私は彼と歩いていきます。


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