オオカミ社長の求愛から逃げられません!


「持ってまいりました」
「ありがとう」

社長はそれを受け取ると、憮然とする私に小箱を差し出した。

あ……! これって。

その箱を見ただけでそれが何かわかった。嬉しくなって、つい興奮気味に声を上げる。

「これって、塩屋さんのモナカですよね! 京都の老舗和菓子屋の」
「おぉ、さすがだな」
「なかなか手に入らないから、幻の和菓子っていう異名もあるんですよ」
「そうなんだ。じゃあ君に全部上げるよ」
「いいんですか! 嬉しい!」

杉本さんにも分けてあげよう。きっと喜ぶだろうなー。あぁ、早く食べたい塩屋さんのモナカ。中身はどんな包装になっているんだろう。あんこは隅々までびっしり入っているってどこかで見かけたことがある。うっとりするくらい、美味しいんだろうな~。

そんな想像をしていると、八神社長がクスクスと笑っているのに気が付いた。

「やっぱり君は笑顔がいいね」
「え?」


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