オオカミ社長の求愛から逃げられません!


「じゃあどうしたら頷いてくれる?」

言いながらのぞき込んでくる。

ど、どうしてこんな平凡な私に必死に? 天下の八神社長が……。信じられない。いや、これはきっと夢だ。

「あの、私仕事に戻らないと。みんな私がいなくて困ってると思います」
「そっか。じゃあまた今度改めて口説きにいくよ」
「くっ……! 口説くって!」

八神社長の言葉に、塩屋さんのお菓子を抱きしめたままあわあわする。この人、もしかして本気なんじゃ……?

「里香はいちいち反応が可愛いな。ますます気に入った」
「か、からかわないでください」
「からかってないよ。じゃあ今度食事でもいこう。日野、三日月堂まで送ってあげて」

社長の言葉に日野さんが「はい」と答え、オフィスの扉を開ける。

「またね。次会えるの楽しみにしてる」
「し、失礼します」

私は塩屋さんの箱を大事に抱きしめたまま一礼すると、その場を後にした。

なんだか大変なことになっちゃった……。

結婚って。八神社長、本気で言っているのかな?


< 27 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop