オオカミ社長の求愛から逃げられません!


落胆するというより、ふとその瞬間に目が覚めた。

機嫌を伺って、怒られないように、怒られないようにと今までやってきたけど、こんなの付き合っているなんて言わないと。それによく考えたら、私は告白が嬉しくてOKしてしまっただけで、彼を好きだと感じたことはなかったと。

その日のうちに私は彼に別れを告げた。雅樹にはこれでもかってくらい罵られたけど、なんとか開放してもらえ、ホッとした。

その時のことがずっとトラウマで、私は恋愛を避けてきた。

だけど晴くんと出会って、前を向こうと思い始めた時だったのに……。あのほんの数分で、一瞬にして過去に戻ってしまった。

ついていない一日だった。

「里香、」

ふとどこからか名前を呼ばれ、顔を上げる。見ればだぼっとしたパーカーにキャップをがぶる雅樹が、私を見据え立っていた。その瞬間ドクっと心臓が浮き上がった。

「飯でも行かないかと思って待ってたんだ」

どうして……。

私なんて待つ必要ないでしょ? 結婚するんじゃなかったの?

「おい。里香聞いてる?」


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