オオカミ社長の求愛から逃げられません!
勇気を出して言った。だけど心臓がありえないくらいバクバクしている。呼吸も上がっているのがわかる。あー私、この人がよほど苦手なんだ。
「お願い」
「聞こえねーよ。つーか、元カノに何したって俺の勝手だろ? ほら、行こうぜ」
引きずられるように無理やり歩かされる。やだ、助けて。晴くん……!
心の中で思いっきり叫んだ。
するとそれは届いたのか、優しいぬくもりが私を強引に連れ去った。気が付いたときには、彼の胸元に抱き寄せられていた。
「人の彼女に何か用?」
聞いたこともない低い声が頭上で響く。
「は? 誰だよお前」
「里香の彼氏だけど」
「嘘だろ……」