オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「なんであんたみたいな人が里香なんかと」
雅樹はそう言いながら晴くんを頭のてっぺんから足先まで見ていた。恐らくこれ以上晴くんが言葉を発さなくても、彼を諦めさせるには十分。そのくらい彼は怒りのオーラを出している。
「まさか本気で付き合ってるなんて言わないよな? こいつ、全然面白味もない女でしょ。人の機嫌ばっか伺って、ヘラヘラしてるし」
「里香の魅力がわからないお前にそんな風に語られたくない」
「は? うぜ。なんだよ。ばからしい」
「早く行け」
「言われなくてもわかってるっつーの!」
雅樹はそう吐き捨てると、街中に消えて行った。その瞬間ホッとして、晴くんにぎゅっとしがみついた。
「里香、大丈夫?」
「は、はい……でも、怖かった」
そういう私の背中をゆっくり撫でる。ホッとして涙が零れそうになる。
「晴くんが来てくれてよかった」
「里香、震えてる。このままうちに来ないか?」
「え?」