オオカミ社長の求愛から逃げられません!


私のために、普段穏やかな晴くんを怒らせてしまって、なんだか途端に申し訳なくなる。しかも誰なのかって追及してこない。

「適当に座って。何飲む?」
「あ、あの、聞かないんですね」
「え?」
「その、さっきのは誰かって」

恐る恐る尋ねれば、キッチンにいた晴くんがゆっくりと振り返った。

「俺の勝手な推測だけど。里香が恋愛が苦手になったのは彼のせいかなって思ってる」
「あ……合ってます」
「じゃあ、彼にはもっと制裁が必要だったかな」
「い、いえ! というか、ダメです!」
「はは、そんなに焦らなくてもそんなつもり最初からなかったよ。震える里香を抱えたまま野蛮な真似はしたくないからね」

言いながら、ソファで丸くなる私にコーヒーを差し出す。


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