オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「とりあえず簡単に荷物をまとめて? そっちに迎えを寄越すから」
何も答えられずにいると、しびれを切らしたのか、晴くんがそう言いきった。
「またあとで連絡する」
「え? あの、晴くん待って!」
そう叫ぶも、電話はすでに切れていた。
簡単に荷物をまとめるったって……。とういか、強引だなー、相変わらず。
そうこうしているうちに、我が家に日野さんと、SPらしき人がやってきた。しかもSPというのが海外ドラマに出てくるような人達で、ごつい体格の強面の男性が二人、日野さんの後ろに仁王立ちしている。
「藤堂里香さん、お迎えに上がりました」
なんだか漫画みたいだなーと、他人事のようにポカンとしてしまう。というか大袈裟すぎる気もするけど。
「社長の命令ですので、どうか従ってください」
そう言われると、頷かないわけにはいかない。彼らは仕事できているのだろうから。ミッションをクリアしなければ上司に怒られてしまう。
しぶしぶ「はい」と返事をすると、黒塗りの車に乗せられ、晴くんのマンションに連行されてしまった。