オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「御用があれば、なんなりとお申し付けください」
部屋に着くと日野さんが言った。部屋の外にはさっきのSPが24時間常駐するという。なんだかとんでもないことになってしまった。
お母さんはその方が安心よー! なんて言ってたけど。
「あの、晴くんは今日は何時に帰ってきますか?」
「晴く……ゴホン、社長は恐らく深夜になるかと。今、海外から客人を迎えていますので」
「そうですか」
やっぱり社長さんて忙しいんだな。つまりずっと一人ぽっち。仕事を休んでいるわけだし、ぷらぷらと出回るわけにもいかない。何より無駄遣いは禁物。うーん、何をしよう。
「それと藤堂さん、社長から預かりものがあります」
「え?」
姿勢よく佇む日野さんを見上げれば、その手には見覚えのある黒いカードが。これはあの時差し出してきたやつ……?