オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「里香いい匂い」
「晴くんと同じ匂いだと思いますけど」
「なんかいいな、それ」
え? と目元だけ布団から出し彼を見上げれば、嬉しそうに微笑む晴くんがいた。
「それはどういう……?」
「俺のものって感じがする」
こんな状況でそんなこと言われたら、どうリアクションしていいかわからない。すると、すっと彼の手が伸びてきた。彼にほんの少し触れられただけで、体をぴくんと跳ねる。
「抱きしめていい?」
「え、あの……」
戸惑っている間にも、晴くんに強引に引き寄せられ、あっという間に胸元に押し込められた。
彼の鼓動が早鐘を打っているのがわかる。もしかしてドキドキしているのは私だけじゃない?
「華奢だなー、里香は」
なんて言いながら、耳元でクスクス笑っている。
それだけで体が熱くなる。きっと私の緊張も心臓の音も、簡単に伝わってしまっているんだろうな。
「早く里香が俺を好きになればいいのに」
「……っ!」
「って、焦りすぎか」
そう言って自嘲気味に笑う。まるで自分に言い聞かせみたい。もしかして、我慢してくれてるのかな?