オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「あの、晴くん」
「ん?」
「あ、いえ……なんでもないです」
私、何言おうとした? いいですよって、言いそうにならなかった?
どうしちゃったんだろう。さっきまで怯えていたくせに。晴くんの温もりに抱かれて、もっとしてほしくなっちゃった? 自分にもそういう女の部分があったことに驚く。
「おやすみ、里香」
「は、はい……おやすみなさい」
晴くんは私のおでこにそっと唇を寄せると、私を抱きしめたまま眠ってしまった。
翌朝。
晴くんより早く起きると、朝食の準備に取り掛かった。食材はさっき24時間空いているスーパーに買い出しに行ってきた。
ここ近辺のスーパーだけあって、私がよく行っていたスーパーと値段が違いすぎて驚いた。人参一本が300円には、思わず一人で声をあげてしまった。
もちろんSPの人は付いてきたけど、早朝ということもあってそんなに人目に付かなかったと思う。いや、思いたい。