オオカミ社長の求愛から逃げられません!
買ってきた食材を並べ、早速調理にかかる。
今日のメニューは、厚焼き玉子に焼き鮭。あとはお浸しにお味噌汁とわが家定番の朝ごはん。
晴くん、喜んでくれるかな? そういえば昨日寝たのは遅かったのに、なぜか体はすごくスッキリしている。きっと質のいい睡眠がとれたからだろう。誰かに抱かれながら眠るって、こんなにも心地いいものだったんだ。
「里香早いね」
味噌汁のお味噌をといていると、晴くんが起きてきた。時刻はまだ6時。だけど晴くんの顔はしゃきっとしていて、しかもなぜかスポーツウエアを着ている。
「おはようございます。あの、どこか行くんですか?」
「ランニングだよ。日課なんだ」
ランニングかぁ。やることなすこと全部かっこいいな。しかもウエアが良く似合っている。スーツ姿もかっこいいけど、スポーティーな格好もすごくいい。
「すぐ戻る」
「わかりました」
晴くんは腕に付けていた時計を見ながら、爽やかに出て行ってしまった。
ここのマンションは緑に囲まれていて、ランニングコースもあった。晴くんが走っている姿を目で追う人は多いだろう。
「私も走ろうかな」
勝手にそんな想像をして、勝手にヤキモチを妬く自分がおかしくて、思わずふふっと笑ってしまった。