オオカミ社長の求愛から逃げられません!


「ん? どうかした?」
「あ、いえ、なんでもありません」

慌てて視線をそらす。私この短期間で、晴くんの虜になっちゃってる。こんな自分、知らないし予想外すぎる。

「じゃあ行ってくる」
「はい、いってらっしゃい」
「くれぐれも気を付けてね」
「大丈夫ですって」

心配げに私を見つめると、ぽんと頭を撫でた。それだけで飛び跳ねたくなるくらい嬉しくなる。

「いってきます」
「いってらっしゃい」

玄関まで見送ると、彼が見えなくなるまで手を振った。と、同時に寂しくなった。
今夜は何時に帰ってくるんだろう。別れたばかりなのに、もう会いたいよ。

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