オオカミ社長の求愛から逃げられません!
「あーそうそう、藤堂さん。私は西園寺さくら。それで? あなたは彼と結婚する予定なの? まだ口説いている最中だって聞いたけど」
ズバッと切り込まれ、ドキッとした。しかも乱れた髪をかき上げながらそう言う西園寺さんは、すごくセクシー。どうやったらこんな色気が生まれるのだろう。同じ女性とは思えない。
「あの、まだハッキリとは」
「そう。まぁでもあんなハイスペックな男性、逃す手はないと思うわよ」
そのさっぱりした物言いに、西園寺さんは晴くんにやはり未練はないのではと感じた。
そもそもお互い好きだったわけじゃない。親が決めたもの。彼女ももしかしたら他に好きな人がいたかもしれないわけだし。
「私もこの結婚が回避できてよかったって思ってる。だってまだ自由でいたいもの」
「そう、なんですね……」
「今だってそこのラウンジで遊んだ帰りなの」
今まで遊んでたの? もうお昼だけど。なかなかのお嬢様だ。