オオカミ社長の求愛から逃げられません!
どれも彼の仕業なら、一刻も早くやめさせなければ。色んなSNSで彼の名前を検索してみる。だけど全然ヒットしない。高校時代の友人に彼の番号を知らないかと聞いたが、知る人はいなかった。
「手掛かりなし、か」
そこでふと、折原くんのことが頭を過った。証拠を掴んでくれるって言っていたし何か知っているかも。そう思い、電話をかける。
『はい』
電話に出た彼は寝起きっぽかった。
『折原くん? この前の書き込みの件。何かわかったことない?』
『あー、あれ。何度か試したんですけど、巧妙にIPアドレスが隠されてて全然ダメでした』
『そんな……』
『それで俺もムカついたんで、今知り合いのところで解明しているところです。俺をコケにした罪は重いです』
え、それってまだ粘ってくれてるってこと? なんだか本来の目的からずれているような気もするけど、望みはあるってことだよね?