ぜんぶ欲しくてたまらない。



少しでも梨里愛を避けようとスマホを開く。



「へぇ、これ芽依ちゃん?」


「……んだよ、勝手に見ないでくれる?」



後ろから覗き込んできた梨里愛を反射的に避ける。


そんな俺の態度に面白くなさそうな梨里愛。


梨里愛に見られたのは俺のスマホ画面。


風呂上がりのモコモコパジャマを着た芽依の写真を待ち受けにしている。


ボケーッとしたマヌケ顔の芽依。


これは1週間俺の家に芽依が泊まっていた時に撮ったものだ。


部屋に俺がいるっていうのに無防備に過ごす芽依。


これまでずっと幼なじみだった俺たちは一緒にいることも多くて、一緒に泊まったことだってたくさんあった。


それなのに久しぶりに会ったからだろうか……


あまりの可愛さに、気がつけばスマホを芽依に向けて写真を撮っていた。


調子に乗ってホーム画面を芽依の写真に変えちゃったりして。


俊介にだって見せたことがない。


俺だけの秘密だったのにな。



「そんなに航大くんに愛されてる芽依ちゃんは羨ましいよ。ついいじめたくなっちゃうくらいにね」


「……は?芽依になんかしたの?」


「気になるの?別に航大くんが心配するほど酷いことはしてないよ。梨里愛の邪魔はしないでって忠告しただけだから」



梨里愛の邪魔?


芽依がなんの邪魔をするって言うんだよ。



「……?」



意味のわからない梨里愛の言葉に困惑しているとスマホに着信が入った。





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