夜には約束のキスをして
お咎めを恐れるように、おずおずと上目遣いで大人たちの様子をうかがう。医者は、思案げに親指を顎に添えた。
「そうですね……」
呟いたまま、視線を下げて思考にふける。しばし黙していた医者は、考えがまとまったのか、「断定はできませんし、推測に過ぎませんが」と前置きをした。
「深青さんは体質的に、キスをとおして霊的な力を高めることができるのではないでしょうか。この里の異能の源流となっている土地神様の影響かもしれません。土地神様は、人々からの信頼や崇拝、畏怖などを力の源とする存在です。なので、土地神様の性質を色濃く反映しているならば、キスという行為をとおして和真くんが深青さんに抱いている親しみなどの感情に触れることにより霊力を高められるのではないかと思います」
和真は、ぱちぱちと目を瞬かせた。異能の源流だの土地神様だの聞いたことのない話に理解が追いつかなかった。つまり医者は、深青の高熱の原因が力の枯渇にあって、それを口付けによって補ったから体調が回復したのだと考えているのだろうか。しかし、口付けを力の源とするなど、初めて聞く話である。そもそも、力の不足によって高熱を発するというのも特殊体質持ちにおいて極めてまれにしか見られない反応なのだ。
「そうですね……」
呟いたまま、視線を下げて思考にふける。しばし黙していた医者は、考えがまとまったのか、「断定はできませんし、推測に過ぎませんが」と前置きをした。
「深青さんは体質的に、キスをとおして霊的な力を高めることができるのではないでしょうか。この里の異能の源流となっている土地神様の影響かもしれません。土地神様は、人々からの信頼や崇拝、畏怖などを力の源とする存在です。なので、土地神様の性質を色濃く反映しているならば、キスという行為をとおして和真くんが深青さんに抱いている親しみなどの感情に触れることにより霊力を高められるのではないかと思います」
和真は、ぱちぱちと目を瞬かせた。異能の源流だの土地神様だの聞いたことのない話に理解が追いつかなかった。つまり医者は、深青の高熱の原因が力の枯渇にあって、それを口付けによって補ったから体調が回復したのだと考えているのだろうか。しかし、口付けを力の源とするなど、初めて聞く話である。そもそも、力の不足によって高熱を発するというのも特殊体質持ちにおいて極めてまれにしか見られない反応なのだ。