【短編】コイイロ世界

でも凛ちゃんのおかげで
…少し分かった気がした……。




恭は、いつだって一緒で

同じ時間を過ごしてた。


優しくて

あたたかくて

大切だから、


恭の存在が、当たり前過ぎてた。



恭は側にいるのに、心のどこかで
“いつかはいなくなる”んじゃないかって、怖かった。



だから、

“幼なじみ”って関係を、失いたくなかった。

幼なじみのままでいれば恭を失うことなんてない

幼なじみのままでいつづければ今までと変わらずにいられる


――恭の側にずっといられる…



いつの間にか…

そんなことを思い続けてたんだ…。



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