お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
果歩の呼び掛けに晴臣が顔を上げた。
「なにどうした。そんな深刻な顔して」
あやすような声色がかえって悲しくなる。でもここでやめるわけにはいかない。別れを引き延ばしたって、晴臣との未来は望めないのだから。
気持ちを奮い立たせ、表情を引きしめる。
「祖母が無事に手術を受けられたのは晴臣さんのおかげです。本当にありがとうございました」
「改まってなに」
小首を傾げながら晴臣が微笑みを浮かべるのを見ていられず、咄嗟に目を逸らした。彼のこんな表情ももう見られなくなるのかと考えて怖くなる。
「果歩?」
晴臣は不可解そうに立ち上がりながら、果歩の視線の先に移動した。強制的に目を合わせられ、鼓動のリズムが狂う。
「もうここにいる理由がなくなりました」