お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
ギクッとしたのは否めない。たしかに幸人と鉢合わせしたときに晴臣はそう言ったが、それはあの場を収めるための発言。本物の恋人にはなったが、プロポーズされたわけではない。
わずかに目を泳がせてしまい、急いで気持ちを立てなおす。
「幸人には関係ないでしょ」
なんとか強気に言ってのけた。
「関係あるよ。俺だって果歩にプロポーズしてるんだから」
「私たちはもう終わったじゃない」
それも半年も前に。自然消滅のような曖昧な終わり方ではなく、きっちり清算している。
「じゃあ、手切れ金」
「……え?」
「それを用意したら関係ないって認めてあげるよ」
幸人は腕を組んで椅子にふんぞり返った。
ぞんざいな言動を前にして言葉がすぐに出てこない。結婚に承諾しなければ手切れ金だなんて、馬鹿げているにもほどがある。