お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
『有名な会社の社長なら、きっとドーンと払ってくれるかもしれないな』
幸人のクスッと笑う声まで拾っていた。
「これを今から警察に提出しようと思ってる。脅迫まではいかなくても強要未遂の罪には問えるだろう」
「ちょっ、待てよ」
腰を浮かせた幸人を晴臣は冷ややかに見つめる。
「そう言われて待つと思う?」
冷淡なのは目ばかりではない。いつも穏やかな晴臣の声とは思えないほど温度を感じさせなかった。
晴臣は胸もとからスマートフォンを取り出し、なにやら操作をしはじめる。もしかしたら警察に通報しようとしているのかもしれない。
幸人もそう察知したのか、大慌てでソファから立ち上がり、晴臣の膝に縋りつくようにする。
「頼むから待ってくれ! いや、待ってください!」
いきなりの低姿勢。身代わりの速さには言葉もない。
幸人はその場に跪き、「頼みます。本当に勘弁してください」と両手まで突いた。