お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「ありがとうございます!」
強張っていた全身から力をふぅっと抜く。ホッとしたら喉に異様なまでの渇きを覚え、ちょうどよく冷めたコーヒーを一気に飲み干した。
「それじゃ早速行こうか」
「……はい?」
行くとはどこへ。カチャッと音を立ててカップをソーサーに置く。
「おばあ様が入院している病院へ」
「今からですか?」
まさか今日の今日で行くとは考えもしない。思わず聞き返した。
「命がかかった手術の決意なら、早いに越したことはないよね」
「それはそうですけど……。本当にいいんですか?」
「やっぱりやめたって心変わりしてもいいなら無理にとは言わないけど」
晴臣はあくまでも優しい調子だ。
「いえっ、それは困ります」