お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
急いでけん制する。余計な話は彼に聞かせたくない。
夏江は口もとに手をもっていき、悪びれたように肩を小さくすぼめた。
「とりあえず、ふたりともお座りなさいな」
個室のため小さな応接セットがあり、夏江はそのソファを手で差す。
「冷蔵庫に飲み物もあるから、七瀬さんにお出しして」
「うん。ありがとう」
晴臣はおかまいなくと遠慮したが、果歩は冷蔵庫からペットボトルのお茶を二本取り出し、一本をテーブルに置いた。
「外は寒かっただろうからあたたかいお茶でも出せればいいんだけど、あいにくポットは置いていなくてね」
「いえ、お気遣いなさらないでください。ちょうど喉が渇いていたところだったんですよ」
晴臣はペットボトルのキャップを開け、「いただきます」と言ってからゴクゴクと喉を鳴らした。おそらく彼の優しさだろう。
今日は一段と冷え込んでいるから、そんなに無理して冷たいものを飲まなくてもいいのにと余計な心配をしてしまう。