お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

(これをお店でいっぺんに見たら、どれもほしくなって困るだろうな)

でもきっと財布事情であきらめざるを得ない。


「座ってもいいですか?」
「もちろん」


晴臣の了解を得て意気揚々と、その反面おっかなびっくり腰を下ろす。勢いあまって壊してしまったら大変だ。……そんなやわな出来ではないだろうけれど。
丸みを帯びた玉子型の椅子に座ってみたら、ちょうど果歩のヒップラインにぴったりフィットし、座面のホールド感がとても気持ちいい。まるで果歩のためにデザインされた椅子のよう。


「わぁ……」


感嘆の声が自然と漏れた。それでゆっくりする間もなく、べつの椅子に移動する。
ロッキングチェアといったら木製で温かみのあるものをイメージするが、それは金属素材のモード系デザインでとてもかっこいい。安定感のある揺れ具合だ。

どの椅子もハイセンスなだけではなく、座り心地も抜群。ここにあるものを全部くださいと言いたくなる。
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