お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
全身から滲み出る品は匂い立つような色気まで含み、目眩を覚えそう。文代の話は決して誇張ではなかったのを思い知る。
彼が今ここで注目を浴びるのは、立ち上がったせいばかりではないだろう。方々から男女問わずに向けられる視線は羨望に満ちていた。
「はじめまして。七瀬晴臣と申します」
やわらかで温かみのある、耳に心地のいい声だった。
(見た目がいいうえ声までいいなんて、どこまでいいとこ取りなの……)
チャームポイントを世の男性たちに少しずつ分けてあげればいいのにと思わずにはいられない。
呆然と突っ立つ果歩を彼が不思議そうに見たため、慌てて口を開く。
「こ、ここ、小西果歩です」
規格外に容姿端麗の男を前にしたため、言葉がスムーズに出てこない。焦る気持ちに比例して、唇の動きは壊れたメトロノームみたいだ。
「やだわぁ、果歩ちゃんったら。ニワトリじゃないんだから」