お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
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ミストシャワーやサウナまであり、高級ホテルを思わせる贅沢な造りのバスルームでゆっくりバスタイムを楽しんだ果歩は、晴臣から衝撃的なひと言を告げられた。
「ベッドも布団も余分なものはないから、ここで一緒に寝る以外にないんだ」
連れられたのは晴臣のベッドルーム。当然ながらベッドはひとつしかない。
スタンドライトとキングサイズのベッドがあるだけの部屋はリビング同様にブラウン系で統一され、とても落ち着きのある空間だ。――あくまでも空間は。
問題は果歩の心臓である。ここにふたりで寝るのかと思うと、鼓動は暴れるいっぽう。どうにも収まらない。
「……私、お布団とかなくても平気なので、あっちのソファで寝――」
「そうはいかないよ」
晴臣が果歩を遮る。
「果歩がそう言うなら、俺がソファで寝るから」
「ダメですってば!」