お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
晴臣の部屋なのに果歩が陣取ってどうする。大事な椅子を製作中なのに風邪をひかせるわけにはいかない。
「それなら観念して。果歩もここ」
そうまで言われて駄々をこねるわけにもいかなくなる。わがままで困らせたくないし、変に意識しているのを悟られたくもない。
「……わかりました」
「よし、いい子だ」
晴臣に頭をポンポンと撫でられ、頬が熱くなる。
「俺も風呂に入ってくるから、先に休んでていいよ」
「は、はい」
ぎこちなく目を逸らして首を縦に振った。
晴臣がベッドルームを出た直後、ふぅと深く息を吐き出す。
(まさかこんなことになるなんて……)
彼とひとつのベッドに寝る事態になるとは考えもしなかった。幸人の登場が本当に恨めしい。