結婚から始めましょう。〜SIDE 蓮〜
「ダミー……偽物、ってことですか?」

「そうそう。仕事上、はめておいた方が会員様からの信頼も増すのよ。あっ、でもね、決して相手を騙すとかじゃないの。安心感を持ってもらう為よ。
アドバイザーとして素質がなければやらせないわ。
あの子はね、本当に優しい子で、相手の気持ちに寄り添える子なの。だから、私としてはアドバイザーに適任だと思ってるのよ。
そこにちょっとだけ……指輪を足すだけで、さらに仕事がしやすくなるの。だからはめてもらってるのよ」

彼女の話に、一気に安堵感や希望といったプラスの感情が湧き起こってくる。

「それでは、桃香さんは既婚者ではないんですね?」

自分の声に、抑えきれない喜びが滲んでいることは、自身でもわかるほどだ。間違いなく華子にも伝わっていただろう。彼女がくすりと笑うのがわかった。


< 16 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop