ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
「こちらに控えてございます」

 どこからともなく、しなやかな身のこなしで兎の獣人が現れた。彼は若い男性で、ごく普通のシャツとパンツに身を包み王都に溶け込んでいた。

「こんにちは。いつもお仕事ご苦労様です」

「畏れ入ります」

 子猫が青年にぴょこんと頭を下げて挨拶をすると、青年も丁寧に頭を下げた。

「今日は、このカレーのお鍋を王家の皆さんにお届けしてもらいたいんですけど」

「承知いたしました。必ずお届けいたしますのでご安心ください。では失礼いたします」

 兎の青年は両手鍋を受け取ると、王都の町にすっと姿を消した。優秀な間者は仕事が早いのだ。

「これで安心ですね。おじいちゃんたちに喜んでもらえるといいな」

「こんなに美味しいカレーを食べられて、喜ばない人はいないと思うよ」

 ミメットが笑いながら言った。

「さっきの兄さんは、はたして匂いだけで我慢できるかな?」

 ミメットの勘は正しい。
 兎の青年は、鍋を運びながら『今夜は非番だから、絶対に青弓亭のカレーを食べに来よう……』と決意していたのであった。
 
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