ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
「妖精の仕事をしているとわかると思うけど、完璧な世界も完璧な国も、完璧な人もいないんだ。そして、完璧な妖精もいない」

 いつも陽気でどこか抜けているクー・シーだが、この時は真面目な様子で言った。

「邪悪な感情に巻き込まれて邪妖精に堕ちてしまう仲間もいる。そうなったら、大変なんだよ。妖精のひとりひとりに強い力があるから、邪妖精を封じようとして世界が消滅してしまったこともあるんだ」

「怖い……」

 空を飛べるかな? などと浮かれていたが、妖精になるというのは楽しいことばかりではないのだ。

「うん、怖いよ。だから僕たちはお互いに協力し合い、助け合っていかなくちゃいけないの。力を合わせればどんな困難も乗り越えられると、僕は思っているよ。エリナには僕やフォーチュナがついているし、他の妖精の仲間たちにもきっと会えるから大丈夫。まずは、このスカイヴェン国でがんばっていこうよ。ね?」

「……わ、わたしに、できるかな?」

 風に吹かれながら、エリナは震えた。

「わたしは普通の女の子で、すごいことはできないと思うよ?」

「そのままのエリナでいいんだよ」

「スカイヴェン国の人たちのために、なにをしたらいいのかわからないし……責任重大すぎて、ドキドキしちゃう」

 クー・シーは、優しく言った。

「妖精の強大な力を手にしても自分のために利用しようなんて思わない、そんなエリナだからこそ妖精になれたんだよ。この国のためになにができるか、おいおい相談していこうよ。その『妖精の環』があれば、僕やフォーチュナと連絡が取れるからね。ほら、こんな僕でも妖精として長く仕事をしてるんだよ? だから、エリナなら全然大丈夫!」

「……なるほど、それもそうね!」

 一気に笑顔になったエリナを見て、クー・シーは「そこで納得されちゃうのも辛いなあ……」と情けない顔になり、耳をへにゃっと倒したのであった。
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