ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
 本日の材料は、エリナとミメットとメルダが市場を回って調達した新鮮な卵に果物、そして小麦粉と砂糖とバニラビーンズ、最高に美味しい生クリームである。

「今日はロールケーキを作ります。焼き型がいらないし、いろんな応用がきくケーキなので、作りやすいと思うんです。それに、形も可愛いし」

「まあ、型がいらないって、どうやって作るのかしら?」

 ワクワクしながら尋ねるメルダに、エリナは青弓亭で使っている四角い天板を見せて「ここに紙を敷いて、ケーキだねを流して四角く薄いケーキを焼くんですよ」と説明した。

 エリナは慣れた手つきでふたつのボールに卵を割り入れた。卵白と卵黄が綺麗に分かれる様子を見て、メルダは「……子どもとは思えない見事な技ね」と目を細める。

「今日は、卵白と卵黄を別に泡立てる『別立て法』というやり方でケーキを作ります。全卵を泡立てる『共立て法』で作るケーキもいろいろあるのですが……それはまた別の機会に……」

「エリナちゃああん、お願い! お願いだから!」

 子猫に縋りつきそうになる娘を、ストーンが止める。

「落ち着けメルダ! まずは今日教わるケーキをものにしてからだ!」

「お父さん、ケーキ屋の魂が叫ぶのよ! それ、絶対美味しいやつだって!」

「気持ちはわかるが、落ち着け! でないと、ロールケーキなるものも学べなくなるぞ!」

「それはイヤあああーっ!」

 エリナとミメットは顔を見合わせて「おやおや」と笑い、ストーンは必死で娘の中の荒ぶる魂を鎮めたのであった。
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