ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
「……想像を超えるものを見てしまった……素晴らしいわ」

 飾り気のない焼き菓子やクッキーしか知らなかったメルダは、ふわっと薄く焼けた柔らかなケーキもそれを丸めて仕上げる手法も、泡立てた生クリームすら初めて目にしたので、たいそう衝撃を受けたようだ。

「わたしも、ケーキ作りには慣れていないので、今回は初心者にも簡単にできるロールケーキにしたんですけれど、丸い金属の焼き型があれば、別立て方でショートケーキなんかも作れますよ」

「初心者にも、って……あんなにすごい技術を持った子猫に慣れてないなんて言われたら、プロのケーキ屋であるわたしはどうしたらいいの……」

 口から魂が抜けそうな背中をミメットが叩いて叱咤する。

「しっかりおしよ、メルダ! エリナに常識を求めちゃいけないのさ、あの子は規格外の子猫なんだからね」

「そ、そう、なの?」

 涙目になったメルダが、縋るようにミメットを見た。

「そうともさ。エリナの一番弟子のこのあたしが太鼓判を押すよ。いいかい、エリナのやることに驚いてちゃ、ドラゴンだって包丁を握ってられないってなもんさ」

「……なんとなくわかったわ。エリナを見て落ち込んでいたら、ドラゴンも包丁を握れない……ありがとうねミメット」

 ふたりの会話を聞いていたエリナは(この世界のドラゴンって包丁を握るの? なんだかずいぶんな言い方をされてる気がするよ……)と、遠い目をしたのであった。
 
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