ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜2
 そしてその夜、ルディの家では。

「エリナのおかげで、スカイヴェン国に新しい名物が次々と生まれていく。喜ばしいことだな」

 今日も一日中よく働き、疲れでうとうとし始める子猫を尻尾で包みながら、フェンリルの姿になったルディが言った。
 お風呂に入り、王妃にもらったシルクのパジャマを着た子猫は、モフモフの尻尾に抱きつきながら「皆さんが美味しいものをたくさん作ってくれて、嬉しいです」と笑った。

「毎日とても楽しいです……こんな日々がずっと続いて欲しいな……」

 ふにゅ、と眠りに落ちた子猫は、そのまま夢の国から帰ってこない。

「続くぞ。続けてみせる。だから、安心して大きくなれ」

 ルディは肉球のついた手で、エリナの頭をぽふぽふと撫でた。

 窓の外には大きな月が輝いている。
 彼は月の光を浴びながら笑う白猫を思った。

「エリナが育ったら、あんな娘になるのだろうか。その頃は俺もすっかりおじさんになっているだろうな」

 孤独な妖精獣は、一生番が見つからないことも覚悟している。

「まあ、それもいいさ。俺にはこうして大切な家族ができたのだから……」

 ルディは目を閉じた。

『ルディさん、お仕事お疲れさまです』

 意識が遠くなっていく途中で、遠くから声が聞こえた。

『うん? 今のはエリナか? それとも……』

『ふふふ、どっちでしょうね?』

 眠りに落ちかけたルディは、幻のような光に問いかけようとしたが。

『……いや、どちらでもいい。今は、どちらでも……』

 彼にとって大切なのは、腕の中で眠る子猫だった。

 まだ、今は。

 この温もりだけを守って生きる。

 穏やかな眠りについたふたりを、月が優しく照らしていた。



FIN.
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