Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 披露宴を終え、新婚旅行先のモルディブに向かうため、わたしたちはオフィス棟の屋上ヘリポートに向かった。

 そこからヘリで成田へ飛ぶのだ。

 実は、この新婚旅行の計画を立てるときも、ひと悶着あった。

 わたしは通常便で行こうと主張したけれど、宗太さんはプライベート・ジェットで行こうと言って譲らなかった。

「だって、直行便ないんだよ、モルディブまでの」

「でも、さすがに贅沢すぎません? プライベート・ジェットなんて」

「いや、そんなことないって。一生に一度の新婚旅行なんだから」

 それにプライベート・ジェットなら、と宗太さんはわざと声を落として、耳元で囁いた。
「思いっきりいちゃいちゃできるよ。長いフライトの間、さ」

 そして、わたしの背中にツーっと指を這わせたりしてくる。

「ねっ」
 もうー。
「……わかりました」

 と言うわけで、結局、押し切られ、超ラグジュアリー・プランが採用されることになった。

 ヘリの操縦、今日はもちろん宗太さんではない。

 機体も会社所有の大型ヘリ。
 屋上まで、大勢の人が見送りに来てくれた。

「皆さん、お見送りありがとうございます。思いっきり楽しんできます。みやげは“ノロケ話”ってことで。楽しみにしといてください」

 と宗太さんが挨拶すると、彼の友達が「誰がそんな話聞くかよ」と大声で答え、その場は笑いに包まれた、

 お幸せに、という声と拍手に見送られ、まず宗太さんがヘリに乗り込んだ。

「お姫様、さあ、お手を」
 宗太さんはうやうやしい調子で手を差しだす。

 いや、宗太さんの方こそ、白いタキシードがさまになりすぎていて、王子様そのものなんですけど。
< 152 / 153 >

この作品をシェア

pagetop