Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
機内は思ったよりも広く、後部座席は向かい合わせになっていた。
そして、生花の新鮮で甘い香りに満たされていた。
「すごい。ウエディング仕様になってますね」
白やピンクの花やリボンをふんだんに使って飾りつけられている。
「ああ、女子社員たちが企画してくれてね」
「嬉しいです。皆さんのお心尽くしが」
感激するわたしに、宗太さんはいつもの、優しい笑顔を向けた。
ヘリが飛行高度に達したころ、宗太さんはシャンパンを抜いた。
「ぼくらの未来に」
その乾杯の瞬間だった。
爆発音が聞こえたのは。
「きゃっ」
えっ、エンジンの故障?
思わず宗太さんの腕にしがみつく。
すると、宗太さんはくすっと笑って、言った。
「外、見てごらんよ」
音の正体は花火。
ベリーヒルズの広場から打ち上げられていた。
「前に言っただろう。一緒に見ようって」
得意げな宗太さん。
「もう、墜落するかと思ってびっくりしました。わたし、ずっと宗太さんに驚かされてばっかり」
ふくれっ面を作ると、宗太さんは
「これから、もっともっと驚かせてあげるよ。エリカがぼくに飽きたりしないようにね」
「そんな、飽きるなんて……あるわけないのに」
その言葉に満足そうにうなずくと、彼はわたしの肩に手を回し、窓に顔を寄せた。
「ほら、機嫌直して、せっかくの花火を見ようよ」
花火を見下ろすというのは、なんとも不思議な気分だった。
「……綺麗」
「イチコ……」
宗太さんは外の光景に見とれるわたしを抱き寄せた。
胸ポケットのブートニアが頬に触れる。
見上げるわたしの唇にゆっくりと彼の唇が降りてきた。
シャンパンの香りとともに徐々に深まるキスに酔わされていく。
唇を離すと、宗太さんはわたしの耳たぶを軽く噛み、囁いた。
「誰よりも幸せになろう、ふたりで」
「宗太さん……」
窓の外には大輪の花火。
まるで、世界から祝福を受けているようで……
彼の胸に抱かれながら……
かけがえのないこの人と出会えたことの歓びにわたしの心は満たされていった。(了)
*お読みいただきありがとうございました。
そして、生花の新鮮で甘い香りに満たされていた。
「すごい。ウエディング仕様になってますね」
白やピンクの花やリボンをふんだんに使って飾りつけられている。
「ああ、女子社員たちが企画してくれてね」
「嬉しいです。皆さんのお心尽くしが」
感激するわたしに、宗太さんはいつもの、優しい笑顔を向けた。
ヘリが飛行高度に達したころ、宗太さんはシャンパンを抜いた。
「ぼくらの未来に」
その乾杯の瞬間だった。
爆発音が聞こえたのは。
「きゃっ」
えっ、エンジンの故障?
思わず宗太さんの腕にしがみつく。
すると、宗太さんはくすっと笑って、言った。
「外、見てごらんよ」
音の正体は花火。
ベリーヒルズの広場から打ち上げられていた。
「前に言っただろう。一緒に見ようって」
得意げな宗太さん。
「もう、墜落するかと思ってびっくりしました。わたし、ずっと宗太さんに驚かされてばっかり」
ふくれっ面を作ると、宗太さんは
「これから、もっともっと驚かせてあげるよ。エリカがぼくに飽きたりしないようにね」
「そんな、飽きるなんて……あるわけないのに」
その言葉に満足そうにうなずくと、彼はわたしの肩に手を回し、窓に顔を寄せた。
「ほら、機嫌直して、せっかくの花火を見ようよ」
花火を見下ろすというのは、なんとも不思議な気分だった。
「……綺麗」
「イチコ……」
宗太さんは外の光景に見とれるわたしを抱き寄せた。
胸ポケットのブートニアが頬に触れる。
見上げるわたしの唇にゆっくりと彼の唇が降りてきた。
シャンパンの香りとともに徐々に深まるキスに酔わされていく。
唇を離すと、宗太さんはわたしの耳たぶを軽く噛み、囁いた。
「誰よりも幸せになろう、ふたりで」
「宗太さん……」
窓の外には大輪の花火。
まるで、世界から祝福を受けているようで……
彼の胸に抱かれながら……
かけがえのないこの人と出会えたことの歓びにわたしの心は満たされていった。(了)
*お読みいただきありがとうございました。


