転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
室内にはもうひとり、青バラの花束を届けてくれた近侍のオズワルドもいて、王太子の横に立って控えている。

ドア口で一礼したエマは、王太子の向かいのソファに座ってよいと許可された。

亜麻色の髪と青バラのような瞳の麗しき王太子を目の前にして、エマは鼓動を高まらせる。

彼はブルロズのメイン攻略対象であり、エマの推しキャラだ。

興奮しそうになる気持ちをグッとこらえて、冷静さを保とうと努力するのは、もちろんレミリアのためである。

「君はレミリア嬢の侍女の、名前はエマさん……だったかな?」

王太子のもとには連日多くの謁見者が参じて、その他、貴族との交流や政務関係者との会議など、毎日大勢と顔を合わせていることだろう。

加えて記憶に残りにくい地味顔なので、覚えられていたことに驚いていた。

王城の医務室でお世話になったからか、それともこの世界のヒロイン、レミリアのおまけであるからか、王太子の記憶に名前まで残されていたとはありがたい。

「はい。エマ・サノーマンです。本日はお時間をくださいまして誠にありがとうございます」

エマは頭を下げてから、持参したプレゼントの箱をテーブルに置いた。

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