転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
王都の空を飛ぶ竜の姿はたまに見かけるが、こんなに近くで見たことはなく、任務中のダグラスの凛々しさに惚れ惚れする。

(竜騎士ってかっこいい……)

五頭の翼竜の姿はすぐに小さな点になり、西の彼方へと飛び去り見えなくなった。

うっとりとした気分が消えたら、怪盗ローズという言葉に緊張感を覚える。

怪盗ローズの正体は、攻略対象のひとり、ジェラルド・カミーユ・ロランス卿だ。

由奈情報によると、芸術サロンには彼も参加する。

王太子イベントであり、ジェラルドイベントでもあるということだ。

そこでのレミリアの選択はターニングポイントというべき重要なものであり、選んだものによっては今後、レミリアの前にジェラルドが現れないだろう。

(ジェラルドとのエンディングの可能性を残すかどうか、迷うわ……)

「お嬢さん、そこに突っ立ていたら危ないよ」

ふいに木箱を担いだ使用人男性に声をかけられ、エマは慌てて道を開ける。

「すみません」と謝り、外壁沿いに歩きだしながらも、芸術サロンのことで頭を悩ませるのであった。

* * *

< 124 / 251 >

この作品をシェア

pagetop