転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
貴重な品々の中には、紙や布製品も多数あり、虫に食われないよう定期的に香を焚きしめているため、それが衣服に移ってしまったらしい。

執務机を挟んで向かいに立ったオズワルドは、いつもの如く真面目そうな顔である。

勤労な彼を、クリストファーはねぎらった。

「明後日の準備のほぼ全てを任せてすまないな。だが他の者には頼めない。なにかミスがあっては困る。疲れただろう。お前こそ先に休め」

「殿下のご多忙さに比べれば、私の働きなど大したものではありません。どうぞお気遣いなく。指示されました絵画彫刻、金細工などの宝飾品、唐渡の屏風と水墨画、織物編み物十点、いつでも展示できるようにしてあります。もちろんレミリア嬢のテーブルクロスもです」

「宝物庫から出すのは当日にしてくれ。例の怪盗に狙われては困るからな」

「かしこまりました。テーブルクロスは宝物庫に入れておりませんが厳重に保管いたしましょう。怪盗ローズに盗まれては一大事ですので」

怪盗ローズは絵画専門の泥棒であり、たとえ目の付く場所に金製品や宝石のジュエリーがあったとしても盗まない。

ましてやテーブルクロスは狙われるはずもなかった。

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