転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
お菓子も夕食のおかずも必ず恵麻に多い方をくれるし、駄目な姉でも『私の最高のお姉ちゃん』とよく言ってくれる。
そんな清らかな妹に苦労させたくないと思い、恵麻は進学を諦めた。
「私は就職する。大学でどうしても勉強したいことがあるわけじゃないもの。由奈の方が成績がいいし、由奈が大学に行って。受験勉強頑張ってね」
「ありがとう。恵麻がお姉ちゃんでよかった!」
由奈の輝くような笑顔を見た後、また映像はスピードを上げて流れ、緩やかになったのは恵麻が就職してからの場面だ。
勤め先は都内の大手電機メーカー……の下請けの下請け。
設備機器メンテナンスと営業の、小さな会社だ。
高卒でもそこそこの給料がもらえ、待遇や補償も充実しているホワイト会社だと信じて入社したのだが、新人研修はブラックそのもの。
道行く人に手当たり次第に声をかけて名刺交換してもらえという前代的な研修や、うさんくさい肩書のセミナー講師による洗脳まがいの自己啓発。
なにより恵麻がきつかったのは、毎日五キロのランニングだ。
ぽっちゃり体形でインドア派の恵麻には地獄の日々。
そんな清らかな妹に苦労させたくないと思い、恵麻は進学を諦めた。
「私は就職する。大学でどうしても勉強したいことがあるわけじゃないもの。由奈の方が成績がいいし、由奈が大学に行って。受験勉強頑張ってね」
「ありがとう。恵麻がお姉ちゃんでよかった!」
由奈の輝くような笑顔を見た後、また映像はスピードを上げて流れ、緩やかになったのは恵麻が就職してからの場面だ。
勤め先は都内の大手電機メーカー……の下請けの下請け。
設備機器メンテナンスと営業の、小さな会社だ。
高卒でもそこそこの給料がもらえ、待遇や補償も充実しているホワイト会社だと信じて入社したのだが、新人研修はブラックそのもの。
道行く人に手当たり次第に声をかけて名刺交換してもらえという前代的な研修や、うさんくさい肩書のセミナー講師による洗脳まがいの自己啓発。
なにより恵麻がきつかったのは、毎日五キロのランニングだ。
ぽっちゃり体形でインドア派の恵麻には地獄の日々。