転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
生産販売権はローズ家に返されたため、今は王城内で青バラを育てることができない。

ふたりを飾る貴重なこの青バラは、ローズ伯爵からお祝いに贈られたものである。

(乙女ゲームのタイトルは、『王宮ファンタジー・ブルーローズ伝』。その名に相応しいハッピーエンドね。ううん、エンドじゃなく、レミリア様の幸せはここから始まるのよ。親密度もステータスも気にしなくていい、穏やかな幸せが……)

仲睦まじいふたりの様子にエマが胸を熱くしていたら、振り返ったレミリアに突然、「エマ!」と呼ばれた。

「えっ?」

なんだろう。下着の紐でも解けてしまったのだろうかと戸惑いながら数歩近づけば、レミリアがポンと青バラのブーケを投げて寄越した。

「次に幸せになるのはあなたの番よ」

そう言って明るい笑顔を見せてくれるから、エマの心が震える。

(なんてお優しい……。でもすみません。男性が寄ってきそうにないこの容姿。私は結婚とは無縁の人生を送りそうです……)

王太子とレミリアは、大聖堂の門前に用意された白馬の引く馬車に乗り込んだ。

これから王都のメインストリートをパレードだ。

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