転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
レミリアはひとり掛けのソファに腰を下ろし、ムスッとした顔で読書を再開する。
(完全に拗ねていらっしゃる。今はなにを言っても聞いてくれそうにないわね……)
ため息をついて注意することを諦めたエマは、調理場に行き、レミリアのためにお茶を用意した。
心を静めるためのカモミールティー。
青いバラの花が描かれたレミリアお気に入りの白磁のポットに入れてリビングに運び、同じ柄のカップに注いでテーブルに置く。
「レミリア様、どうぞ」
「あ、ありがとう……」
お礼は素直に言ってくれたが、唇を尖らせていて、まだエマと会話する気はないようだ。
(王太子殿下のあの表情、断ったレミリア様にどん引きしてたよね。ゲーム最初のイベントで親密度を下げてどうするのよ。ヒロインがシンシア様からレミリア様に変わったことで、攻略までの難易度が大幅に上がってしまった。このままじゃハッピーエンドを迎えられない)
レミリアの傍らに立ち、お茶を飲む横顔をじっと見つめながら、エマは考えに沈む。
(……って、ここがまだブルロズの世界だと決まっていなかったわ。とてもよく似ているけど、そんな馬鹿な話があっていいものか)
(完全に拗ねていらっしゃる。今はなにを言っても聞いてくれそうにないわね……)
ため息をついて注意することを諦めたエマは、調理場に行き、レミリアのためにお茶を用意した。
心を静めるためのカモミールティー。
青いバラの花が描かれたレミリアお気に入りの白磁のポットに入れてリビングに運び、同じ柄のカップに注いでテーブルに置く。
「レミリア様、どうぞ」
「あ、ありがとう……」
お礼は素直に言ってくれたが、唇を尖らせていて、まだエマと会話する気はないようだ。
(王太子殿下のあの表情、断ったレミリア様にどん引きしてたよね。ゲーム最初のイベントで親密度を下げてどうするのよ。ヒロインがシンシア様からレミリア様に変わったことで、攻略までの難易度が大幅に上がってしまった。このままじゃハッピーエンドを迎えられない)
レミリアの傍らに立ち、お茶を飲む横顔をじっと見つめながら、エマは考えに沈む。
(……って、ここがまだブルロズの世界だと決まっていなかったわ。とてもよく似ているけど、そんな馬鹿な話があっていいものか)