転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです（汗）

少しも痛そうな表情ではなく、むしろニヤニヤと楽しそうだ。

もうひとりも、レミリアに詰め寄る。

「金か体か。どっちがいい？　あんたなら体で払ってもらう方が得かな」

（た、大変。レミリア様が連れていかれる……！）

レミリアを店から引っ張り出した男たちに、エマは慌てて駆け寄った。

全力でレミリアを奪い返すと、背中に隠して男たちと対峙する。

「うちのお嬢様に無礼を働いたら、許しませんよ！」

精一杯、怖い顔をして睨んだが、その声は震えていた。

小娘の牽制など微塵の効果もない。

いやらしい笑みを浮かべる男たちは、値踏みするようにエマの全身に視線を流す。

「あんたは……なんというか、普通だな。こんなに特徴のない女は初めて見た。まぁ、抱けないことはない」

（失礼じゃない!?　平凡すぎて記憶に残らず、何度か会ったことのある人に初めましてと言われてしまう私だけど、こんなチンピラ、こっちが願い下げよ！）

言葉にならず、口をパクつかせて心で叫んだエマを、意外にもレミリアが庇う。