平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「これなら、大きな子でも、伸び伸びと運動ができそうですねぇ」

何よりも白獣のことを優先に考えること。立派な屋敷を前にしたリズの感想に、ジェドが庭へとカルロを降り立たせながら笑みをもらした。

別邸は、二階建ての美しい白亜の屋敷だった。ところどころある見張り台の三角屋根も優美で、化粧漆喰まで施された柱や壁の様子も美麗だ。

玄関前まで、庭園の通路が敷かれている。

カルロから降りたリズは、ほえぇと口を開けて見入った。ここが、王都にいる間に世話になることになった、ジェドの両親が暮らしている屋敷だ。

「も、もはや、住居のスケールが違いすぎる……」

さっきの王宮に続いて、あまりにも違いすぎる世界によろめきそうになる。

今更のように緊張を思い出したリズを見て、カルロが鼻息をもらした。一歩後退した彼女の背を、白い優雅な尻尾でもふっと包み込む。

途端にリズは、全意識がそちらにガツンと持っていかれた。

「何このもふもふサービス!? はぁ、ブラッシングが行き届いているわねぇ」

緊張していないといけないのに、かなしいことに、やはりリズはもふもふ具合にうっとりとしてしまうのだ。

それを横目に見ていたジェドが、ちょっと悔しそうな顔で「チィッ」と舌打ちしていた。相棒騎士の視線に、カルロはなんだか複雑そうな表情だ。

その時、屋敷の扉がゆっくりと開いた。

「坊ちゃま、無事に相棒獣が見つかり、そしてこうして騎獣でのご帰省には感激いたしました。おかえりなさいませ」
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