平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
丁寧な礼をして出迎えてくれたのは、元獣騎士だったという老年の執事だった。サムソンと名乗ると、早速リズたちを屋敷内へと案内した。

中もとても広々と作られていた。天井もとても高くて、どこもかしこも清潔に保たれているのに、他に使用人といった姿は見かけない。

「必要時以外は、各場で仕事をして頂いております。不用意な戦闘獣との接近を、避けるためです」

きょろきょろしたリズに、サムソンが察知してそう教えた。

「あ……、そうだったんですね。他の皆さまには警戒されるのですか?」

「元獣騎士だったのは、わたくしだけです。旦那様の相棒獣は、とても賢いメスの白獣ですが、白獣であることを考えて対策を取らせて頂いております。何かあってからでは、遅いですから」

獣騎士の引退に伴って、同じく現役を卒業する戦闘獣もいるらしい。山に一度戻って、そうして獣本人の意思で戻ってくることもある。

「白獣の意思を尊重しているんですね」

「その通りです」

戦闘獣たちを思って、ぱぁっと表情のトーンを明るくした。そんなリズを見て、サムソンは初めて微笑ましげに老年の目元を細めた。

長期休暇の際も連れ帰るとは、リズも獣騎士団で話を聞いていた。だから獣騎士たちは、相棒獣との暮らしも分かっている。

「現役を引退した旦那様の相棒獣は、こちらで一緒に暮らしております。戦闘獣と相棒騎士は一心同体。常にそばにいますから」

「俺が団長になって、しばらく世話になった戦闘獣でもある」

「あっ。ずっと前にいた相棒獣って、先代獣騎士団長様のだったんですか!?」
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