平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「相棒獣の代わりを務めてもらっていた、という方が正しい。それまでに多くの戦闘獣と出会ってきたが、――長らく、見つからなかったから」

何気なく思い出話を口にしたジェドが、視線をそらして声を小さくした。

なんだかその横顔に、胸がきゅっとするようなものを感じた。彼は冷静な表情だったけれど、一人で背負った想いや言葉を、呑み込ませてしまった気がして。

「もう一人じゃないですっ」

気づけばリズは、彼の腕当たりの軍服を掴んでいた。ハッと見つめ返して彼の青い目が、小さく見開かれる。

「今は、見つかって、もう団長様は一人じゃないですよ」

「――リズ」

「カルロがそばにいます。えっと、微力にしかなりませんが、私だっています」

あまり役には立たないことは自覚しているので、リズは後半で苦笑を浮かべてしまった。そろそろと手を離す。

「こんな私が、偉そうに言ってしまってすみません」

視線を逃がす言い訳で、ふんふんと顔を近づけてきたカルロを撫でる。

そんなリズの横顔を見下ろしていたジェドが、ふっと珍しく表情を柔らかくして少し笑った。

「――ありがとう、リズ」

案内するサムソンは、温かな空気を感じ取った表情で前を歩く。

相棒獣を間に、リズとジェドを包み込む雰囲気は、上司と部下の関係ながら、今はいい恋人同士であるのだと老いた執事に思わせた。
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