平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「職場恋愛ですか。これも、何かしらの縁なのでしょうね」

サムソンの嬉しそうな独り言を拾ったカルロが、ぴくぴくっと獣耳を動かせる。その拍子に、リズは気づいて「あ」と声を上げた。

なるほど、そう説明しておけば『団長様』呼びも自然である。

さすが団長様、ぬかりない。ふりなんかできるかしらと、既にキャパオーバーしていたリズは、名前呼びまで課されなくて助かったと思った。

「旦那様、奥様。お坊ちゃまをお連れしました」

開かれた扉をノックして、サムソンが声をかける。

案内されたのは、立派なサロンだった。そこで前グレイソン伯爵ヴィクトルと、その妻アリスティアが待っていた。

ジェドのご両親である。

獣騎士団で聞いていた情報を思い出し、リズはごっくんと唾を飲み込む。

立ち上がる二人のもとへと案内されて、ドクドクと緊張が増した。どちらも目鼻立ちの整った顔立ちをしていて、立ち仕草も貴族そのものである。

「ったく、急に連絡を寄越してきたと思ったら、調査で滞在させろとは」

「協力に感謝しますよ、父上」

「当たり前だ」

ぐちぐち言った前グレイソン伯爵、ヴィクトルがジェドを胡乱げに見つめる。目元はきつめのジェドには似ておらず、優しい印象があった。

……ぴりぴりしていたというのは、本当みたいだわ。
< 103 / 310 >

この作品をシェア

pagetop