平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
まさか嘘だろうという表情でヴィクトルが叫ぶ。これまでのジェドの頑固さに、苦労してきたことがありありと伝わってきた。

と、不意にヴィクトルの目が、ぱっと向いてきてリズは肩がはねた。

「身分差なんて関係ないよ! 安心しなさい、私たちは君たちの恋の味方だ!」

「え」

再び、ぎゅっと手を握られたかと思ったら、力強く約束されてしまった。

すると、ジェドが、きらきらとするオーラを放つ笑みを浮かべた。

「それは心強い。俺はこの先何があろうと、リズを諦める気はありませんから」

「なんとっ、お前の口から、そんなロマン溢れる台詞を聞くことになろうとは!」

「婚約をしたら、ここでしばらく家族として過ごしながら、一緒に挨拶回りもしたいですね。ああ、でも気の早い話でしたか。それは結婚後にすべきでしょう」

「結婚! ジェドったらそんなに嬉しいのねっ。ええ、いいのよ、婚約したら存分に挨拶しなさい! お前が身を固めたいと思ってくれただけで、とても嬉しいわ!」

わざと煽るようにジェドが言うごとに、両親の期待値は急激に上昇した。とても満足そうで、リズは嘘なんですとますます言えなくなる。

「リズさん。どうぞ、うちの息子をよろしく頼むよ」

「うっ、その、はい……」

「どうか安心なさって。貴族の妻になる不安は、わたくしが一つずつ解消していってあげます。教育係も、きちんと選んでおいてあげますからね」

前グレイソン伯爵夫妻に、すっかり安心されてしまった。

どうしよう。良心で胸が痛すぎる。ふりをしなくちゃいけないリズは、この後どのタイミングで知らされるのかと考えて小さく震えてしまう。
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