平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「あなた、なんでそう楽しそうなのっ?」

「ふむ。リズは涙目だな――どうした?」

「殿下っ、今、私たちすごくまずい状況なんです! 私に殿下と幼獣の命がかかっている状態なんです!」

リズは、性格が底抜けて明るい鈍い王子にそう教えた。自分が下敷きになって守ったとしても、彼らを助けることはできるのだろうか?

このままの勢いで滑って出てしまったら、軽傷ではすまない。

その時、幼獣がすぅぅっと息を吸い込んだ。わざと呼吸を詰まらせ、むぐぐぅっと咽るのを我慢する表情をした。

「げほんっ!」

直後、口が大きく開かれ、盛大な咳の音と共に、春嵐のような強大な突風が勢いよく吐き出された。

――幼獣の成長期にある〝魔力吐き〟だ。

保有魔力も成長中の幼獣は、余分な魔力が、こうしてげっぷとして吐き出される成長症状があった。魔力の性質によって、火だったり冷気だったり様々だ。

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